お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
どなたの言葉だったか、「真の幸せとは、他人の幸せに寄与出来ること。」、と聞いたことがある。
滋賀のHさんお待たせです。小さな武勇伝です。
4年間の消防士生活を終え、郵便屋に職替えをしても、叩き込まれた魂は時々顕在化する。
当時の郵便局は、「親方日の丸」と揶揄されただけあって、勤務時間は徹底して守った。残業も、「終業4時間前」までの命令でなければ受けない。従って仕事後の飲み会、遊び等の約束はしやすい。
ある時期、「仕事の後はソフトボールで遊ぼう」が流行り、毎日毎日市役所前のグラウンドで盛り上がっていた。
ある日けたたましいサイレンの音と共に、直ぐ近くで黒い煙りが垂直に上がった。
小火(ぼや)ではない。それも配達先である。遊び道具は放り投げて、皆んなで駆け付けた。
先ず目にしたのが、消防団員が狼狽している姿であった。
何を間違えたか、火点のはるか手前で放水が始まって、火元に水が届かない情けない状態である。消防団は消防署と違い非常勤で、充分な訓練は積みずらい。
そこで私、元消防士の出番である。
このケースの対応策は3つあるが、時間的ロスの少ない方法を選んだ。
放水状態のままホースを1回、2回と前後に畳んで、仲間と思い切り押さえて強引に水を止める。その間に筒先を外して延長ホースを着ける。
最後に筒先を再着して、「ようし、突っ込めー」と号令を発して一件落着。
「こいつ消防士でいた方が良かったんじゃん。郵便配達は遅いし。」、って仲間が思ったかどうか、、、。思ったな(笑)。