この記事の目次
今回「今月の仏教漫画」は、
特別企画として
「お寺の漫画図書館」×大正大学の授業 (文化の探究 ー身近な仏教を知る)
コラボレーションを紹介したいと思います!(^^)!
今回特別企画として大学授業とコラボしました。仏教に関する漫画を読んだ学生さんたちが、感想文や漫画の概要などを作成したレポートを「お寺の漫画図書館」のホームページより紹介します!!((・o・)(仏教)漫画の感想、とにかくまじめです!素晴らしい!!!) 仏教というテーマに接する機会があまりないととにかく難しく感じるかもしれません。でも、日本では、仏教をテーマとした漫画がたくさん出ています。漫画を通じてよりわかりやすく、仏教を伝えています。単純に漫画が好きで読むのもいいですし、”仏教あまりよくわからない~でもちょい気になる”という方にも仏教漫画おすすめです(*^-^*)。とりあえず、軽く一方踏み出してみると、ディズニーランドが開かれるかもしれませんyo~~(+o+) Welcome to the buddha land では、さっそく踏み出してみましょうか。
今回の仏教漫画コラボはこれから3回にわたって紹介します~
第Ⅰ弾 『鬼灯の冷徹』 第Ⅱ弾 『寺ガール』 第Ⅲ弾 『5時から9時まで』
では、第一弾『鬼灯の冷徹』はじまります!
みなさまもぜひぜひみてみてくださいませ(*’▽’)。 ⁂実際に講義を担当した先生方より、ご挨拶もいただきました!!(ありがとうございます ) —————————————————————————————————————————— はじめまして(^^) 大正大学で非常勤講師をしております、大橋雄人と申します。 昨年度の秋学期(後期)、大正大学において「文化の探究 身近な仏教を知る」というテーマの講義を担当させていただきました。 細かい授業の内容は置いておきまして、その授業のなかで受講している学生たちへの課題として仏教(に関連する)漫画のグループ発表および個人の期末レポートを課題として提示いたしました。 大正大学は仏教系の大学ではありますが、4年間仏教に触れずに卒業する学生もめずらしくありません。そのような学生も含め、少しでも身近にある仏教を感じてもらえればとおもい授業を構成し、また「漫画」というメディアを課題とすることで、興味を持つための最初のステップをゆるやかにしてみました。 今回、ご無理を申しまして、授業で提出された仏教漫画のレビューレポートを「お寺の漫画図書館」さんのHP・FBページで掲載してもらい、コラボレーションをさせていただけることになりました(^^)v 学生たちの感想などを交え、漫画を通じて仏教に親しみをもっていただけると幸いです。 ※なお、70名の受講者がありましたので、掲載にあたっては1作品に対して複数の学生のレポートを一部抜粋して、再構成してあるものもあります。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【作品情報】
作者:江口夏美 作品名:『鬼灯の冷徹』 出版社:講談社 既刊:24巻(2017年3月現在) 掲載雑誌:週刊『モーニング』 地獄には閻魔大王よりも恐ろしいやつがいる・・・そいつの名は鬼灯!強烈なドSっぷりを発揮しつつ膨大な仕事をさらりとこなしてしまう超有能鬼神・鬼灯。個性的すぎる地獄の面々と共にお送りする、あまりに日常的で楽しげな毎日を綴ったブラックコメディ、ここに参上!(教育人間学科/Y.O)
【作品概要・あらすじ】
物語の舞台は地獄。死後の裁判を司る十王庁のトップ、閻魔庁の補佐官が主人公となっている。全体を通してのあらすじはなく、一話ずつの読み切りとなっている。 補佐官の鬼灯は、頼りない閻魔大王にかわって激務に追われる日々が続いている。その日常には、おとぎ話「桃太郎」の桃太郎、さる、いぬ、きじ「かちかち山」のうさぎ、中国の瑞獣の白澤、鳳凰、日本神話のイザナミ,ニニギノミコト、コノハナサクヤ姫、イワナガ姫などが登場する。現世の人間から見るとおそろしい非日常ワールドが広がっているが、それが地獄の日常である。 まんがの舞台は地獄だけに留まらない。地獄の対の立場にあり、また交流も深い極楽や、悪魔が獄卒となり管理しているEU地獄、さらにはエジプト神話まで登場する。そこでもまたサタンやベルゼブブ、リリスやアヌビス、オシリスなど個性の強い人たちが鬼灯とともに楽しませてくれる。(仏教学科/S.M)
【レビュー】
テンポのいいギャグマンガ、というのが一言での説明になるであろう内容。日本の地獄はもちろん、海外の死後の世界との違いや類似点を描いていたり、日本の地獄の種類や閻魔大王の裁判で使われる道具なども描かれたりしているため、宗教的な知識も得ることが出来る。 絵柄も相まって、地獄の獄卒の仕事もおどろおどろしいものではなく、亡者にも余裕があったり、むしろ元気だったりすることもある。時事ネタも盛り込まれているのでにやりとする場面もしばしば。専門的なことも噛み砕いて書いてあるため分かりやすく、基本的にギャグマンガなため、楽しみながら仏教に触れることが出来る作品。(表現文化学科/Y.O)
【仏教的描写】
◎ 仏教における世界観の一つである地獄が舞台となっている物語である。地獄とは仏教における世界観の一つで最下層に 位置する世界であり、欲界・冥界・六道、また十界の最下層である。一般的に、大いなる罪悪を犯した者が死後に生れる世界とされている。
また、日本の仏教において地蔵菩薩の化身とみなされ同一視されていた閻魔大王が登場している。閻魔大王は、人間の罪業に最後の裁きを下す存在であった。 三途の川といった仏教で現世とあの世の境目にある川が描写されている。また、十王の配下に位置づけられる老婆の鬼である奪衣婆がおり、六文銭を持たない死者が来た場合に渡し賃のかわりに衣類を剥ぎ取ることになっていた。(人文学科/Y.I) ◎ 本作にはさまざまな種類の地獄が登場する。それらは『正法念処経』という書物に書かれた「八大地獄」がモデルとされている。八大地獄は罪によって8つの部署に分かれ、さらにそれぞれの部署に16の小地獄が付随している。亡者がどの地獄に落ちるかは、生前、犯した罪の種類によって決まる。(中略)第1話には、阿鼻地獄の小地獄のひとつである、「臭気覆処」が登場する。ここは、お坊さんたちが熱心に育てた果樹園を焼いたものが堕ちる地獄で、刑罰は、なぜか「サトウキビでめっちゃ叩く」。鬼灯は「現代に合わないから改訂しましょう」と言っていた。(教育人間学科/Y.O)
【感想】
◎ 地獄や極楽、閻魔大王といった仏教的思想が入っていても、日本人にとって馴染みの深い世界観だったので疑問を感じずに読み進めることが出来ました。地獄の種類など阿鼻地獄や不喜処地獄など普段習わないことがこの漫画で知ることが出来るのもいいなと感じました。実際に、果樹園を焼いた者はサトウキビで叩くといった地獄があることも初めて知ったので勉強になりました。登場するキャラクターが個性的で、閻魔大王や歴史上の人物や偉人、妖怪など様々な魅力あるキャラクターが登場するのもこの漫画の良い所だと思います。(人文学科/Y.I) ◎ 私の家にも地獄が描かれた掛け軸がある。しかし、内容は全くわからなかった。なぜなら、怖い鬼たちが描かれて何かやっているという印象しか持つことができなかった。鬼灯の冷徹では、それらが具体的に書かれていて面白くわかりやすく理解することができた。地獄の詳しい名前も知ることができる。八大地獄の一つずつをじっくり調べることは、個人では難しいところがあるがこの本を読むことで十分に理解ができると思う。(人間科学科/H.S) ◎ 地獄という単語自体は聞くことがあるがこの漫画を読んでほとんど知らない事ばかりだったことに気付いた。絵柄にも癖があり、ホラーの要素が強いのかと思っていたが、実際にはコメディ調で描かれ一話読むたびに爆笑してしまった。また、亡者を呵責するシーンでも亡者に一切感情移入することなく、寧ろ登場人物と一緒に鬼灯に振り回されている感覚に陥ってしまう事が不思議である。地獄は現代人に対しても罰の効力が十二分に効くことは少し恐怖を覚えた。とにかく地獄には堕ちたくないと思わせる内容であるため、地獄界などが含まれる三界から離脱することがいかに救われることであるかという理解に役立ち、関心や意欲にも影響を及ぼしうる作品である。(臨床心理学科/M.W) —————————————————————————————————————————— 以上です~~。いかがでいたか。大正大学「文化の探究 (身近な仏教を知る)」という授業の先生をはじめ、素晴らしいレポートを書いてくださった学生さんたちに感謝いたします!ありがとうございます。 そして、『鬼灯の冷徹』は「お寺の漫画図書館」にもおいてありますので、気になる方はぜひ来てくださいませ。 次回は第Ⅱ弾『寺ガール』です。(#^.^#)