多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
7月5日、我が家の桔梗が咲いた。
この花が好きで、今の場所に越して来た時に3株植えた。
数年は3株とも順調に咲いて、夏の一時だけだが『桔梗屋敷』となり、通りすがりの大勢の人が足を止めていた。
ところが2株の勢いが段々弱くなり、春に芽を出さなくなってしまった。原因は分からない。
『桔梗、刈萱、女郎花』は、お盆花の御三家である。
庭の桔梗が咲くと必然、お盆に思いがむかう。
最近斜向かいに越して来たお宅に、女郎花の鉢がある。
そっと庭を拝見すると、かなりの花好きの様だが、
「女郎花と桔梗を一本づつ交換して、お盆を迎えませんか?」って、言えるほどにはまだ親しくはない。
7月13日、八王子市のあるお宅に、新盆(初盆)のお勤めに上がった。
お盆の飾り付けについて、事前の問合せがあったので、イラストの精霊棚例を送らせて頂き、「全く同じでなくとも結構です」と添えた。
当日は故人に対する思いの深さを感ずる、立派なお盆飾りとなっていた。
普段とは逆に、法話を先にして、お盆の由来となっている『盂蘭盆経』の説明のあと、お勤めをさせて頂いた。
私は折々に、「お盆は母の日でもある」との自説を述べている。
『盂蘭盆経』は、餓鬼道に堕ちている母親を救おうとする、目連尊者の物語りから始まる。
私自身の母親に対する思いを、僭越ではあるが目連尊者の行為に重ねている。
私は何時も法要の最後に、十篇のお念仏をお願いするのだが、式中にも自然とお念仏の声が流れでるお宅で、僧侶としてはとても嬉しい。
今日、7月15日は『僧自恣』だが、詳しい説明を省略すると、僧侶が修行の反省をする日である。