多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
遅くやって来た秋も深まり、庭の花も紫陽花の残り花だけになった。こんな時は他人様の花を楽しませて頂くのが得策だ。
我が家の裏の農地では、私と同年代のご婦人がほぼ独りで、沢山の種類の作物や花を栽培している。
○ 千百日の花たち
畑の隅で人参、インゲン、茄子に囲まれて、百日草と千日紅が並んで植えられている。
両花とも鑑賞期間が長いことからの命名だが、今のところ千日紅の方が、名前のとおり長持ちしそうである。
「千日紅さん、貴女は一年草なので頑張っても千日は無理と思いますよ」(越冬可能種もまれにある)
この花『千日紅』なのに、白、オレンジ、ピンクなどの種類があり、不思議な名前の持主である。
○ アケビ食べたや
朝夕の散歩コースに、近くのショッピングモールが入っている。コーヒーを飲みながら、2時間近くベンチを借りることもある。
植栽の中にアケビの木が有り、夏には10数個の実をつけていた。
小さ頃おやつにしていたアケビとは、種類が違うようで紫色になったが開かない。
食べ頃らしいので一つ頂戴したいのだが、「窃盗」の2文字が浮かん思いきれない。
○ 花を活かす?
同じモール内を散歩していて、「この時期にあんな色の花が咲くだろうか?」と不思議に思い近寄ると、生花が捨ててある。
「ひどいことするな」と呆れていたが、どうも様子が変である。
ツツジの生垣の数カ所に、ダリアの生花を故意に刺してあるようだ。
演出者の意図は分からないが、鉢や路地に造花を刺した家を見かけることもある。
○ 遅い紅葉(黄葉)
10日程前に友人からお母さんの葬儀を頼まれた。
火葬場の待合室で庭を見ていて、一本のカエデの木に目が止まる。
根本に『モミジ』と書かれた札が置いてある。
書くなら『カエデ』か『イロハモミジ』がベターかな何て、どうでも良いことを考えていた。
隣りにいた故人の妹さんが、「今年の秋は暖かいので、紅葉する前に葉が散りだしている」と、寂しそうにつぶやいた。
南無阿弥陀仏 合掌