お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
8月のお盆が終わると、私の田舎(信州佐久)は一気に秋めき、9月に入ると炬燵も恋しくなってくる。
今年のお盆は沢山の桔梗で棚を荘(かざ)った。東京での桔梗の最盛期は過ぎていて、花屋さんを何軒も回ったが手に入らない。
最後にやっと、量販店の隅に追いやられた、花盛の弱い売れ残りの数鉢に出会った。鉢で買い切り花として使ったので、切れなかった小さい蕾が名残り花となり、今一生懸命咲いている。花が終わったら多聞院に植えようと思う。
紫桔梗の花言葉は、「永遠の愛」「気品」である。
お盆の入り8月13日に、法務のため埼玉県行田市のホテルに泊まった。翌朝告別式にホテルから直接向かう必要から、法衣姿でチェックアウトの手続きをしていた。
ロビーに居合わせたおばあちゃんと目が合い、軽く会釈を交わした。
手続きが済み玄関で草履を履いていると、先程のおばあちゃんが私に近づいて、
「こんな所で和尚さんに会えるなんて、なんと有難いことでしょう。」と、お布施を出された。
「え!!️、ここでお布施を」と、驚きは隠せなかったが、受けない訳には行かない。
後程お寺で供養をさせて頂こうと思い、「お名前を」と尋ねたら、「それ程の者ではありません」と、名乗って頂けない。
有り難くお預かりして、後日多聞院にておばあちゃんの健康とご長命を祈念し、合わせて、お盆中でもあり先祖代々の追善供養をさせて頂いた。
合掌 龍譽正俊