多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
冬の厳しさに耐えて、春に咲く花は黄色が多い。
雪の中で咲く福寿草から、ロウバイ、ギシャ、サンシュユ、レンギョ、ミモザ、母子草、そしてタンポポ。
「まだ動きの鈍い昆虫にとって、黄色いが一番見つけやすい」、との説がある。
暖かい春を待つ人間にとっても、暖色の花は印象強く映る。
散歩の途中で珍しいタンポポの花を見つけた。
花の下の茎の長さを測ったら、何と70センチもある。
「タンポポには、外来種の西洋タンポポと在来種の日本タンポポがあり、西洋タンポポは花の下が長い」、までは知っていたが、それにしても70センチは異常に長い。
西洋タンポポと日本タンポポとの交配種を足すと、8割となり、在来種の日本タンポポは2割と少数派で、
都会では出会い辛い。
田舎の自宅は山中にあり、春にはタンポポが地面に張りついて咲く。明らかに日本タンポポである。
私に経験はないが、タンポポは食べられるようだ。
「道草を食う」ってやつです。
花、茎、葉も食することが可能で、根はコーヒーの代用になると言う。
農家にとっとタンポポは、根の張りが強いので、手を焼く雑草である。
その根を乾燥、粉末化すると、コーヒーに近い飲み物になるようだ。
興味ある方はやって見て下さい。当然ノンカフェインです。
「鼻の下を伸ばす」との例えがある。
魅力的な異性を前にして、「でれー」とすることをさすようだが、顔が緩むと実際鼻の下は伸びるそうだ。
クワバラくわばら。
タンポポの花は尾花と同じく、花の後も楽しむことが出来る。
誰も一度は遊んだことのある「綿毛飛ばし」。
人工の風であっても、種を遠くまで運んでくれて、タンポポにとっては有難いことである。
花が散ってこその実であり種である。
「去華就実」の言葉もある。