多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
4月24日、法務の都合でお寺に泊まった。
夜中に覚醒してしまい、深夜放送のお世話になった。
25日が新社会人にとって、初の給料日となるのか、
「初任給の使い道」の特集をやっていた。
同期生と焼肉に行った、 貯金した、 生活費に回した、親にプレゼントを買った。
などなど、視聴者から様々な経験談が寄せられていた。
①親にプレゼント28.4%、②貯金24%、③生活費22.1%の統計が有るようだ。
数字的に大差は無いが、親孝行が一位ってのは、何となく嬉しい。
さて、皆さんは記憶に有りますでしょうか?。
私の場合は、「貯金→親」だったので、①②のセットになるでしょうか。
落語に、『おかめ団子』がある。
主人公は、真面目で、正直で、親孝行な、貧しい大根売り。
商売の帰り、母親の土産を買うために団子屋による。
店の使用人が、「早仕舞いして団子は無い」と追い返すと、主人が追いかけて「作って上げるから店に戻りなさい」と。
「寝たきりの母親が、団子を買って帰ると喜ぶ」、と言う男に、「それは親孝行だ」と褒めながら、餡を特別に沢山つけて上げる。
待っている間に男は、団子屋に今日の売り上げ金が、沢山有ることを知る。
家に帰った男は、団子を母親に食べさせ、体を摩って上げながら、自分に甲斐性が無いので、病身の母親を硬い布団に寝させていると涙する。
北風の寒い外に飛び出し、大金が有る団子屋に向かう。
庭には入ったが泥棒の仕方が分からず、ボーとしていると娘が出て来る。娘は意に沿わない婿取りが嫌で、命を絶とうとする。
必死に止めていると、そこに主人が出て来て、昼間の大根屋である事がばれる。
お金を盗んででも、母親を暖かい布団に寝させたかったと、正直に打ち明ける。
主人は、「盗んだ金で暖かい布団を買っても、親孝行にはならない」と諭しながら、「娘を助けてくれたお礼に、5両やるから布団を買いなさい」、と許す。
「布団を買うだけだから、こんなに沢山は要らない」
と固辞する男の、欲のなさ、正直さ、親孝行さを気にいって、主人は娘の婿として大根屋を、母親共々店に迎えて、あとを継がせる。
今月は『母の日』月である。
18歳で母を亡くした私には、母が私に希望した道を、しっかり歩む事が親孝行と思っている。