〈死について考える〉
お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
かなりの暴走である。この世でお釈迦さまと私は同じ人間。「どうしてこんなに差がついたのか?」と考えたことがある。その結果最大の原因は、逃げたか否かと言うことになった。小学生の時それは突然やってきて、私の脳天をかち割り、目の前を真っ暗にした。「ヤベー、俺って死んで消えちゃうんじゃん」、楽しく遊んでいる同級生が馬鹿に見えた。例えのない絶望の中から、「死んだらどうなっちゃうの?」と母に助けを求めた。「分からなくなるだけ」と、ぽつり。問題は未解決のままである。母は私より死に近いから、それだけ恐怖も強いはず。恐怖を呼び起こす会話は2度とするまいと子供ながらに反省をした。私が母親に示した、最初の優しさであったかも知れない。そして私の長い逃亡者生活が始まった。