多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
私はお寺に通う時に中央線を利用している。
立川6時5分発東京行きは必ず座れる。
高齢になり、終点までの約1時間を立っているのがきつくなり、つい座れる方法を探してしまう。
そのためには4時半に起きて、始発のバスに乗る。
今日の内容とは関係無いです。
相変わらずの演歌を聴きながら、電車内でボーとしていた私の耳に、
「東京ラーメンは涙の味がする」との歌詞が、急に飛び込んで来た。
「どう言うこと?、普通は味噌、醤油、塩が相場だか、涙の味かよ?」と、私の好奇心が動きだす。
最初からじっくり聴いてみたら、こまどり姉妹の、「こまどりのラーメン渡り鳥」と言う歌でした。
「札幌ラーメンは希望の味がする」
「喜多方ラーメンは絆の味がする」
「東京ラーメンは涙の味がする」
「博多ラーメンは笑顔の味がする」
との歌詞が各節に登場する。
当日の多聞院念仏会で、「涙の味がするラーメン」について話したら、ご年配の方から、「東京産まれの人には理解出来ない」との答えが返って来た。
こまどり姉妹は北海道の産まれ。14歳から浅草で流しの生活をしていたと言う。
私は東京生まれでは無いので、敢えて例えるならば「信州そばは希望の味がして、東京そばは涙の味がする」になりそうだ。
私は食べることにほとんど興味がなく、そのせいか仲間内では、「お前が不味いと言ったら、猫も跨ぐほど不味く、美味いと言っても信ずるに値いしない」と、高い評価を得ている。
そんな私でも、食べ物とマッチした思い出が、有るか否かを検証して見た。まあ、車内の暇つぶしです。
○洋菓子を抱えて故郷に錦を飾った時、親父は
『かりんとう』の方が良いと言った。
○一人暮らしの友人が留守の間に、『ピーナッツ味噌
』を全部食べて叱られた。
○墓参り用の我が家の『お饅頭』は、中心の餡子が
少しだった。
その他、苺、なわしろグミ、カレー、昆布の佃煮など
が沢山出てきた。
ラーメンの思い出もあった。
高校生の時である。親友が学校を退学になり、新天地の東京に向かう彼を、彼の彼女と一緒に小諸駅で見送った。
その後の流れで、一緒にラーメンを食べると事になるも、山家育ちでうぶな私は、異性と一対一で食事を共にした経験が無い。
他人の彼女とは言え、息詰まる雰囲気の中で、音を立てないようラーメンと格闘する私。
味わう余裕なんてなかった。
「信州ラーメンは涙の味がする」の経験をした彼女、今はいずこに。
「笑顔のラーメン」を味わっていれば良いが。