多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
私は産まれつき股関節に障害があり、負担のかかる運動は避けるよう言われて育った。
ところが、「分かっちゃあいるけど、、、」ってやつで、痛みが無い時は、阿波踊りで飛び跳ねたり、剣道で活躍?したりしてしまった。
長年のそのツケが最近回ってきて、痛みの他、歩行もスムーズに行かなくなった。
親からは、「歳を取ってから痛みが増す」と聞かされていたので、いよいよかなと、股関節専門外来を受診することにした。
様々な検査の結果と担当ドクターの判断の結果、人工関節置換手術をすることになった。
ドクターからは、「ご家族と相談なさってから決めてください」と、親切な提案が有ったが、「その必要は有りません。決めてきましたから」と私。
それではと、手術日とそれまでのスケジュールが、流れるように決まった。
受診、検査の待ち時間に待合室で、マスクを有効活用し、小さい声で念仏を称えていた。
自坊観智院の3日間別時念仏行中に、通院を優先させて頂き抜け出しているので、習慣的になっていた。
すると後ろ席のご婦人から、「浄土宗の僧侶さんですか?。宗派は違いますが、私も僧侶なんです。浄土宗さんのお念仏は良いですね、落ち着きます。」と声をかけられる。
「失礼しました。聴こえないように称えていたつもりでしたが」と私。
全ての検査受診が終わり、「よし、これで念仏会に合流出来るぞ」と思いきや、会計でかなり待たされる。
骨折をしたのでしょうか、左手を包帯で巻いて首から吊っているご婦人が、私の方に歩いて来る。
「先程お念仏を聞かせて頂きました。気持ちが落ち着いて有難かったです」と告げられる。
「こんな場所でご迷惑じゃあ無かったでしょうか?」
、と言う私に「いいえ、不安な気持ちが癒されるました」と返してくれた。
私は、「これから念仏会に戻りますので、貴女の怪我が早く回復するように祈ります」と伝えて別れた。