漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
文語体を理由に最近卒業式で「仰げば尊し」が余り歌われないらしい。私の小学校時代の恩師、丸山先生は2年前お隠れになられた。生前僧侶になった事とその理由をお伝えした時、「良く分かりました。ありがとう」とご返事を頂いた。それが最後の音信となってしまった。
先生は大学の教育学部を卒業されて、最初に受け持ったのが我々で、6年間担任は換わらなかった。今では考えられないが、当時(60年前)としても稀れだったと思う。先生が教育委員会に卒業まで担任を務めたいと強く希望したようだ。学年時は忘れたが、私のクラスと上級クラスとの間で、生き物の飼育をめぐってもめたことがあった。「俺が責任を取ってやるよ!」と格好つけたことが先生の知るところとなり、「俊夫くん、発言の通り責任を取りなさい。」と強い指導を受けた。どう責任を果たしたかの記憶は無いのだが、この一件は今日まで役立っている。
卒業と同時に先生は異動となったが、その後も頻繁に村を訪れてくれた。高所に設置されたスピーカーから先生の里帰りを知らせる案内が村中に流れる。「先生が来たー」と駆け付けるのだった。中学生になった私達教え子全員を、5、6名の班に分けて先生の生家に招いてくれた。2泊3日の、2度目の修学旅行である。全員に行き渡るまで3年かかったが、先生もご両親も大変だったと思う。昨年同級生と共に墓前にて、感謝の誠を捧げて徳を偲んだ。
今日は迎え盆。迎え火を高く高く焚こう。
合掌十念。龍誉正俊