多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
「発車オーライ」と聴いて、「♪明るく明るく走るのよー♪」と続けられるのは、かなりご年配の方々である。
昭和32年のヒット曲だから、昭和24年生まれの私にとっても、懐メロに属する歌である。
はとバスをモデルにしたようだが、歌詞の内容が路線的との見方もある。
カラオケ大会で高得点を狙う時の、私の勝負曲の一つである。
先日法務の帰り始発のバスに乗り、発車するまでの間、ご宗家との暖かい交流に思いを馳せていた。
墓前法要の後、食事の席を用意して頂き、中学生のお嬢様とも、最近の歌手グループの話しで盛り上がり、歳を忘れたひと時であった。
そんな気分を一変させる叫び声が、突然バス中に響き渡る。
「バスを叩くんじゃねーよ。」と運転手さん。
「何で開けねんだよー」と、乗り込んできたお客さんがやり返す。
私はイヤホンをつけ、御詠歌を聴いていたので、叩かれた音の程度は分かっていない。
「あらあら、始まっちゃたー」と、暫く両者の主張を聴いていた。
お客さん:「ドアーの前に立ってんだ、何で開けねんだよー。」
運転手さん: 「定刻までにこねえ、あんたが悪いんだ。お客はあんた一人じゃねー。皆んな待たされてんだ」
お客さんは運転手さんに近い、シルバーシートに座って、運転手さんはバスを出したが、運転が少し荒い気もする。
お客さんは本を開く。
「内容は頭に入っていないだろうな。二人とも自己の正当性を、自分に言い聞かせているだろうなー」、と妄想モードの私。
しばらく何事もなくバスは走って、お客さんが降りる時、第2戦が始まった。
お客さんは再び、「何で開けねんだよ」
運転手さんは、「バスを叩いた。器物破損になるぞ。カメラも回ってるんだ」と応戦する。
「この争いは果たして、どちらが正しいのだろうか?」、
「賢者愚者と争わず」と言うがこのケースでは、、、。と私の分析癖が出て、御詠歌どころではない。
私の停留所の二つ前で、「運転手さん、スッキリしました。頑張って下さい」と言いながら、降りた女性がいた。
「よし、俺も何か言おう。」
「運転手さん、もう少し冷静に対応したら、味方を増やせましたね。これが良い」
最寄りのバス停に着いて、にシルバーパスを見せながら、何時ものように「有難うございました」と、お礼を言っただけで降りた。/(^o^)\