多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
人気の高いグランドキャニオンにも直ぐ飽きて、砂漠とギャンブルの街、ラスベガスに向かう。
早朝に到着してカジノに入ったのだが、「さて、どうしようか?。映画のようなタキシードは着ていないし、日本でもギャンブルとは無縁の生活で、才能も無いしなー」。
何てことを考えながら、ソファーに沈んでいたら、夜行バスの疲れが出て、すーと眠りに落ちた。
どのくらい眠ったかは知れないが、突然襟首を掴まれて、ガードマンに起こされる。
「ここで寝るな。出て行け」と、随分な剣幕である。
身なりから、お金を沢山落としそうな客ではないと、判断されたようだ。それは正解。
「ふざけんな、俺だって客だー」と、喧嘩したいところだが、相手の方が強そうなので、ここは「面従腹背」と決める。
ラスベガスまで来て、ガードマンに摘み出されただけで帰るのは、私のプライドが許さない。
出口に向かうと見せて、そっとスロットのコーナーに入いる。スロットが好きと言う訳でなく、それしか出来そうにないのだ。
身分相応に、始めは少額のコインで遊んでいたが、
なかなか当たりが出ない。
ふと、「高額コインを賭けた方が、当たる確率が高い」との、ガイドブックの記事を思い出し、1ドルコインで遊ぶことにした。
1ドルを3枚入れてガチャンとやると、一回に千円が飛んで行く。アメリカ一人旅も終盤とは言え、段々と持ち金の残が気になり出す。
「いざとなりゃカードが有るさ」と、弱気の自分を励ましていると、突然スロット台上の回転灯がまわり、ベルがけたたましく鳴った。
私は何が起きたのか分からない。そのうちに、1ドルコインがジャラジャラと出始め、綺麗な店員さんが
箱を持って駆けつけて、「大当たりです」と。
随分出たが、さてどうしようか。ギャンブラーなら、「これを元手に、もう一発勝負だ」って事になるのだろうが、貧乏性の私は「よし帰ろ!」と、勝ち逃げを決める。️
今思えば、小突かれたガードマンにチップを渡して、悠々と引き揚げたらお洒落だったが、当時は、
「ラスベガスで儲けたー」
と舞い上がっていて、
それどころでは無かった。
高校生の時、親に内緒で初めてパチンコ屋さんに入った。
100円分の玉数で、偶然3回穴に入ったので、
「勝ったー」と、チョコレートに替えて、さっさと店を出た。
あーあ、あれから随分と時間は流れたが、私の性格はは変わっていなかった。♂️