多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
文化放送の「走れ歌謡曲」が、来年の3月で終了する。
1968年に放送が開始されてから、52年間に渡る長寿番組である。
放送時間が深夜の3時なので、歌好きの私も毎日聴いていた訳ではないが、夜中に目が覚めた時は、必ずお世話なってきた。時に歌は、道標にも友人にもなる。
10年以上昔の、私が郵便局で働いていた頃の話しである。
12月の年賀状繁忙期間中のある日の午後、窓からの西日が輝いていて思わず、「窓に西日があたる部屋は、、」と、テレサテンの「つぐない」を口ずさんだ。
隣りの後輩から、「諸澤さんて、つぐなう事、沢山あるでしょう️、」と、冗談混じりに声をかけらた。
「ああ、沢山有るよ。繁忙期間が終わったら、皆んなでカラオケに行き、つぐないでも歌おうか」と返した。
「カラオケ同好会」発足のきっかけである。
歳が明けて1月、会社近くのカラオケ店に仲間6人が集まって、第一回カラオケ大会が始まる。
普通ではつまらないから一人1,000円出して、各自「つぐない」の他、得意な歌2曲を歌い、合計点のトップが総取り、と言うことになった。
神聖な歌を賭けの対象とするのに、多少の抵抗はあったが、仲間との盛り上がりを優先した。
結果、「歌が上手い」と思い込んでいる、主催者の私がダントツで数千を稼いでしまった。️
第二回目からは、課題曲と自由曲の合計点で争い、課題曲の選定権を、下から2番手が持つことになる。
若手に選定権が移る時は大変である。
ミスチルの「名もなき詩」、何てのが選定されて、老人世代はアップアップとなる。
音源を貰い、通勤の電車バスで必死に聴いて、覚えようとするのだが叶わない。
「昔は3回も聴けば覚えたのになー」と、ため息をついても情状酌量はない。
歌でも何でも自信のない事を、人前て演ずるのは切ないものである。
得点が2、3差で、賞金獲得チャンスの仲間は、緊張でマイクを握る手が振るえている。
私?、私はお金より気持ち良く歌うことが優先だ。だからミスチルは勘弁して欲しい。
昨夜は法務の都合で千葉のホテルに泊まった。3時頃に目が覚めて、何時もの通り「走れ!歌謡曲」を聴きながら夜を過ごした。
ラジオから、夜のしじまに流れる歌は、心深くに沁みてくる。
しかしどうして何時も、3時頃なのだろうか?。
きっとどこかに、私を起こしたい人がいるのかも
知れない。