お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
前回の投稿後「ぜひ続きを︎」と、暖かい励ましを頂きました。編集長からも、「時々挟むならオッケー」の許可が出て、シリーズ化となりました。
サンディエゴでしばらく戦艦を観ていると、ひとり旅の日本人から話しかけられた。異国での同胞との出会いは心強いものである。が、少し慣れると、「せっかく異国にやって来たのに、何でこう日本人と、、」となる。
会うわけである。ほとんどの人が同じガイドブック、「地球の歩き方」を抱えてる。
軍艦ウオッチも直ぐに飽きて、サンディエゴのスーパーに入って、オレンジを沢山買った。
当時日本はオレンジの輸入を自由化しておらず、この時とばかりに沢山食べた。
貧乏人の欲張りのツケは夜に現れ、頻繁にトイレからお呼びがかかる。
7ドルで泊まったYMCAだから贅沢は言えないが、トイレとシャワーは共有で、同じ大きな部屋。そして大のトイレに前扉がない。
これにはマイッタ。「いざ鎌倉️」って時に、目の前をすーと人が通る。それも外国の人である。
鎌倉の手前、切りとうし辺りで、村に引返すはめになる。外のスーパーかバスターミナルで借りようかと思うのだが、町はもう暗いし、出入り口では若者が集まって気勢をあげている。
「アメリカ一人旅鉄則第1条、、夜ダウンタウンに近づくな。」を思い出し、翌朝までお腹をなだめて我慢する事にした。
翌朝早めに宿をでて、バスでエルパソに向かう。予想に違わず車内には、日本人らしき顔がいくつも見える。この同胞達との出会いが、「今夜こそは枕を高くして寝たい」と言う、細やかな夢を壊すことになる。災難は忘れない内にも、やって来るものらしい。続く