多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
田舎の家の敷地内に姥百合(ウバユリ)が群生している。
白色で鉄砲百合が一本の木に、沢山ついた様な雰囲気な花である。名前の由来が、可笑しいと言うか、可哀想と言うか、、、。
夏の花だが、咲く時期には葉が少ない。
葉が無い→歯が無い→老姥、と言うから驚きだ。
同じ百合でも名前が、「姫百合」となると、
夏の野の 茂みに咲ける 姫百合の
知らえぬ恋の 苦しきものそ 大伴坂上郎子
となって、花も嬉しそうである。
「こんな名前、要らない️」と、花達から抗議が出そうな名前が沢山ある。例えば、
「掃き溜め草」
植物学の権威、牧野博士が名付け親だが、新種として発見した場所が、ゴミ捨て場だったらしい。
白くて小さな、ノースポールに似た可愛い花である。
「継子の尻叩き」
茎に棘が沢山あり、子供を叱る時に尻叩きとして使う、というのが名前の由来のようだが、実際そうしたかは分からない。直接皮膚を叩かないと効き目のない程の、小さい棘である。
多聞院には、可哀想な名前の花が二つ。
「屁糞葛」
花の中心が赤紫色の、可憐な蔓性の草花だが、歓迎されない匂いと、他の植木に絡み付き邪魔になる事から、こんな名前になった。
屁と糞を重ねるなんて、かなりの嫌われようだ。
「毒溜み」
可哀想な名前の筆頭各だ。
白く清楚で、茶花に使いたい花だが、匂いがあるばかりにこの名前である。
毒など全くなく、薬草としても使われる。
「犬のふぐり」
水色の可愛い花で群生する。花が終わってつける実が、犬の陰のうに似ているところから、付いた名前のようだ。
今度確認して観ようと思う。
その他にも牛殺し、地獄の釜の蓋、盗人萩などなど。切りがないので止めます。
親は子供に名前を付ける時、その子の将来に期待を込めて選ぶが、植物はそうはなり辛い。
嫌な匂い、毒性、トゲなどの形状、場所などの特徴で
付けられてしまう。
私は娘に「明日香」と付けた。
当時私が頻繁に訪れていた「明日香村」を参考に、
「古代史を愛する人になって欲しい」との期待をこめだのだが、まだ実現していない。♂️
「名前、好きじゃない」と言われた事はないから、良しとしよう。