多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
アメリカ1周の一人旅もいよいよ最終回である。
緊張、ドタバタ、ハプニング連続の3週間を過ごして、ロスからハワイ経由の飛行機に乗り込んだ。
冒険旅行を頑張った自分へのご褒美として、ハワイに2泊しゆっくりすることに決める。
路線のバス停を調べるのが面倒で、空港からワイキキの高級ホテルまでタクシーを使い、シーサイドに部屋をとる。
「旅は独り、路銀は使い切り」が、お洒落である。
高級ホテルの客にしては、食事がマックとか安い日本食堂となり、窮屈さを避ける。
ワイキキは日本人で溢れていて、日本食堂の壁には日本語で、「この店ではチップが必要です」と貼り紙がある。
夕食の後、ホテル内のディスコに入ったが、社交ダンスが趣味の私とは相いれず、早々に退散した。
翌日はワイキキの浜辺に出てみたが、水着を買ってまで海に入る気にはならない。
ハワイに来て、泳がないのは洒落ている。
海岸から免税店に場所を変えて、友人達から頼まれていた土産を買い漁った。
昔は、酒、タバコ、香水に厳しい持ち込み制限があり、機内で申告書を書かされた記憶がある。
成田の税関でのこと。
先に出た人々はスーツケースを開けて、念入りに調べられていたが、私はパスポートを見せただけで入国が叶った。
公務員の身分が信用されたか、人相、挙動に怪しさが無かったのだろう。
中学時代に染みついた、英語アレルギーの払拭を目指して始めた英会話。
同時通訳、翻訳家には至らなかったが、一応の集大成として、独り乗り込んだアメリカであった。
帰国後、冒険旅行の副産物が思わぬところに発生した。
周囲に内緒で英語を勉強していたが、それがバレて、「諸澤は英語が喋れる」との、分不相応な評価が流れた。
結果、「諸澤、窓口に外国人が来て困っているから、行って助けてやってくれ」とか、「外国人から電話なので出てくれ」何んてことが、たまに起きたりす。
評価は自尊心をくすぐるが、同時に、「応え無ければ」との、ストレスも生む。危ない危ない。