お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
「桔梗、苅萱、女郎花」は、お盆花として欠かせない。8月12日には町で花市が立ち、求めることは出来るが、自給自足を本義とする我が家には、そもそもお金を出して花を買う意識が無かった。上記の花々は秋の七草に入っているが、平安時代に桔梗は朝顔と呼ばれていたようだ。朝顔については、、、次の機会にします。
野に咲く桔梗、山百合は少なくて、発見した時は「有ったー️」と、胸が高鳴ったものだ。
見つからない時、村のお寺の庭に咲く、紫と白の桔梗のニ株を思い出すのだか、行動は起こせなかった。(笑)
お盆の間は過酷な農作業を強いられることも無く、かすかではあるが親の財布の紐も緩んだ。多少の花火と鐘を鳴らしながら自転車で売りに来る、5円のアイスキャンディ位は買って貰えた。
小学校の校庭では盆踊りがあり、前山城址の北側斜面では、麦藁を高く積み上げて燃やす、どんどん焼きが有り、千曲川の河川敷では8月15日に花火大会があった。テレビや個人的な娯楽の少ない時代の、村を挙げての楽しい四日間であった。
お盆は『盂蘭盆経』に説かれる話がもとになっている。
お釈迦様の弟子である目連尊者が、神通力で亡き母を探すと餓鬼道に落ちていた。飢えに苦しんでいる母に食物を降ろすのだが、口に運ぶと燃えてしまう。
「母を助け出したい
亡き母の菩提を弔う事が、僧侶になる主な理由であった私にとって、お盆は5月の第2週目より大切な母の日である。
今年は沢山の桔梗と百合で盆棚を飾り、至心に供養している。 合掌 龍譽正俊