多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
年が明けて15日も経てば、正月気分も抜ける頃だが、今日1月15日は小正月である。
15日、或いは14日ー16日の3日間を『小正月』と呼び、地域色に富んだ様々な正月の行事がある。
中でも『どんど焼き』は、全国各地で行われており、前年のお札や破魔矢、或いは外した正月飾りを燃やして、無病息災を願う火祭りである。
松の内が明けて、自宅の門松や正月飾りを持って、近くの神社に行ったのだが、どんど焼きの雰囲気が無い。
例年だと庭の真ん中に円錐形の枠組みがあり、周りに門松などを置いて帰るのだが、今年はコロナ感染症対策で中止なのかも知れない。
今まで気がつかなかっただけだが、三が日の散歩で大発見をした。殆どの家に門松がない。
三が日の穏やかな天候と暇に助けられて、門松の設置状況を調べながら歩いて見た。
同じ丁目の範囲内だが、我が家を除いて一件の門松しか発見出来ず、ちょっと寂しく感じた。
我が家の門松は、三本の竹を松で囲み梅花を挿した本格的な物で無く、一本の松の木に注連飾りを付けた簡易な物である。
それでも毎年杭を打って、玄関の両脇に取付けている。
門松は年神様の依代であり、寄って頂く為の目印であり、神聖な場所を示す結界ともなる。
更に、松=常緑 竹=成長 梅花=香のそれぞれで、「めでたさ」を表している。
「目出度い」の目は「目玉」では無く、草木の「芽」のことだと最近学んだ。
陽気(春の気)によって、次の生命が育ってゆくこと、或いは物事が良い方向に変化する、それらの喜びを指しているようだ。
年中行事は時代と共に変わるし、祝い方はそれぞれで良いと思うが、例えば梅花は「香の気」を目的としているので、匂いの漂う本物を挿したいものである。