お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
「溢れる若さあればこそ、未来に向かい我等立つ」は、西沢爽による青春賛歌の一節である。
先日帰省したおり、高校時代からの友人に夕飯をご馳走になりながら、古い話しで盛り上がった。その勢いで帰宅後卒業アルバムを開いてみると、様々な青春群像の中で、私の寄せ書き「青春とは涙である。」が埋もれていた。
「青春とは、若者が浪費した時間」、と言った人がいる。従えば、私が流した涙は差し詰め、「浪費の遺物」である。(笑、小さく)
故郷を遠く離れた都会で生き詰まった友がいた。切羽詰まった手紙の返信に、「死ぬな」と、血書をもって応じたことがある。
高校三年生の私には精一杯の行動であったが、今振り返れば軽率にも思える。
とすると、「青春とは若者が浪費した時間」説は、遠からず的を得ているかもしれない。
「親しき友の哀しみを、励ます言葉尽きるとも、光れ銀河よ友情の、涙を夜空に散りばめて、、、」と、冒頭の歌は続いてゆく。
青春が時間の浪費であったとしても、指の傷は今も出来事を語り続けて止まない。