多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
私は信州佐久の生まれだが、とにかく寒いところである。それ故に根拠のない冗談もうまれる。
「長野県人は早口である。早く喋らないと言葉が凍って、相手まで届かない」とか、
「池の鳥を捕まえるのは簡単。寒い日の早朝、急に凍って足を取られた鳥が、逃げられずにバタバタしている」などなど。
現在は暖冬で様変わりしてるだろうが、小さい頃親戚のお風呂を借りて、家に着くころには、手縫いがバリバリに凍っていた。
先日東京に住む故郷の先輩が、自前のスケートリンクで楽しんでいる、長野県の小学校の記事と写真をフェイスブックで紹介してくれた。
近年は暖冬で、消えてしまった風物詩かと思っていたが、生き残っている学校もあるようだ。
私が小学生の頃、地域の大多数の小学校は、自前のスケートリンクを持っていた。
毎年晩秋になると私達小学校生と、PTAとでリンク作りをする。
田んぼ内を掃除して、畔を叩いて硬くし、保水性を高める。
その後、水を張れば、ほぼ一晩でスケートリンクは完成する。
冬季の体育の授業はスケートが多かった。今では考えられないが、一時間目が体育の時に、直接田圃に集合なんて事もあった。
畦にランドセルが30個以上、ずらーっとならんで圧巻である。
早く上手くなりたい同級生は、薄暗いうちから授業前練習をしていたが、私は、、、何方かと言うと、「体力でも勝負しない派」であった。
当時子供は下駄スケートが主流で、紐で足に固定するのだが中々安定しない。薄い刃の付いた下駄にしっかり立ち、スイスイと滑れるように成るには、かなりの時間を要した。
ホッケー、フィギュアは無く、全員がスピードスケーターで、ただひたすら田圃のコースをグルグルと回っている。北海道と並んで長野県勢がスピードスケートでは強いはずである。小さい頃からの鍛えられかたが違う。
東京に出て自分でお金を稼げるようになったので、選手用の高い靴スケートを買った。ところがスピードスケートを許すリンクがない。
ようやく川崎の向ヶ丘遊園地に、スピードリンクを見つけて通ったものである。
職場のレクでスケートをやると、私はダントツで早い。だが悲しいかな、足腰が400mリンク一周しかもたない。
なんでも我慢と持久力は要るもんだ。