多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
「二度と帰らぬ思い出のせて、、、」は、舟木一夫の『修学旅行』の歌い出しである。
10月3日から6日まで、高校時代の同級生と2人、京都奈良を訪ねた。
彼は高校時代の修学旅行に行けなかった。
修学旅行を見送る私に「ごめんな」とうつむいた母さん、あの時、僕平気だったんだよ。
(日本一短い「母」への手紙より)
と言う理由ではない。
彼は他校生と「出入り」をやり、それがバレて修学旅行直前で退学となった。身から出た錆では有るが、それなりに辛い思いをしたようだ。
私は10月1日、2日と京都清浄華院での24時間不断念仏会に参加して、翌日京都駅で彼を迎えた。
自分の容姿は棚に上げて、改札口に向かってケースをガラガラ引き摺って来る、皺の増えた老人に手を振る私。「あーあ、やっぱ73歳は隠せねーや」
翌日観光バスで金閣寺、銀閣寺、清水寺の修学旅行コースを巡って、夕方奈良にはいる。
今夜は高校時代のように、夜を徹した議論で、寝せてもらえないだろうなと思いきや、9時過ぎにはもう彼の寝息が。
ウケ狙いで計画した、修学旅行定番の枕投げは止めて、早々に消灯した。
3日目も観光バスを使い、法隆寺、中宮寺、慈光院、薬師寺、唐招提寺、平城旧址と廻る。
ガイドさんが余りにも歴史、仏教美術に詳しいので、「仕事とは言え、お詳しですね」と話し掛けた。
「お客様に詳しい方もおり緊張します。長野県からの修学旅行生は勉強していて、同僚達も特に緊張します 」、とのこと。
私が長野県出身と知らない上の発言だから、盛った話では無さそうだ。
後輩諸君の頑張りに、お爺さん達はエールを贈る。
最終日は朝一で帰る予定が、「奈良に来て明日香村に行かないのは片手落ち‼️」と、観光バス会社に無理を言って予約。
大神神社、石舞台、キトラ古墳、橘寺、飛鳥寺を見学した。
昔し奈良に入り浸っていた頃、「明日香村を観光バスで廻るのは邪道」と軽蔑していたが、歳を重ねてた今、同じことをしている。
あの時の皆さん、「申し訳無かったです」
帰りの新幹線では思い出話しに花が咲き、あっと言う間に東京のビルに囲まれたいた。
未来の夢を語った青春時代への、タイムトラベルから無事生還した。