多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
9月29日、所沢市の霊園で四十九日と納骨式法要を依頼された。
何時ものように1時間前に到着して、事前に聞いていた街区と番号を探すのだが、中々見つけられない。
法務の際には早くに着いて、現地を確認してから、車中でゆっくりするのが、私のパターンである。
当日は翌日から始まる、清浄華院24時間不断念仏会の準備のため、法要後直ぐ京都に向かう必要があり、気持ちも少し焦っていた。
街区を何とか見つけて、番号を探してうろうろしていると、霊園の作業員らしき人が自転車を降りて、「何かお困りですか?」と話しかけてくれた。
時間をかけて探せば何とかなると思ったが、霊園に詳しい人の情けにすがることにする。
暑い中を汗だくになりながら、彼は一生懸命に探してくれ、間もなく、「ここですよー」と遠くから声をかけてくれた。
その声質と背丈格好が、郵便局時代の元同僚によく似ていることに気がつく。
まさかと思いなが、「間違っていたらすいません、Mさんですか?」と尋ねてみると、「はい、そうですが!」の返事。
「Mさん、俺だよ俺。諸澤だよ」と私。
「えー、諸さんかよ」と、僧衣姿の私に驚いたようす。
驚くのも無理はない。20年以上前に苦楽を共にした仲間が、坊主頭になって目の前にいるのだから。
仕事以外でも仲良くしていたのだが、彼の転勤で少しずつ疎遠になってしまっていた。
今は石材店の社員として、墓掃除の仕事をしているという。
私も墓前法要の準備があり、ゆっくり話が出来ないため、「今度飯でも一緒に」と約束して、自転車を逞しくこぎながら、次のお墓に向かう彼を見送った。