多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
今日8月1日、私の田舎(信州佐久)では、お墓参りの日と決まっている。
1742年8月1日の千曲川氾濫(戌の満水)による犠牲者(約2,800名)の菩提を、地域全体で弔うためである。
一族によっては墓域で宴をはり、先祖様と食事を共にしている。
我が家は墓前での会食こそ無かったが、一族が誘い会わせて墓参して、「お盆には帰って来てくんなんしゃ」と、ご先祖様を招待する親達の声をよく聞いた。
墓参の後は親戚の家でお茶飲み会があり、子供達にとっても、夏休み中の楽しみな行事であった。
私達は約千年、33代遡るだけで、85億9000万人の先祖を数えるという。
『ゆずりは』と言う木がある。
縁起の良い木とされていて、正月の飾り付けに使われる。
春新しい芽が出ると、葉を落として新しい生命に場所を譲るので、和名が『ゆずりは』となっている。
7月26日の朝、NHKラジオ深夜便でアフターケア相談所『ゆずりは』の所長、髙橋亜美さんの話しを聞いた。
児童養護施設や里親家庭などで生活していた人、虐待や支配などの理由から、親や家族を頼ることが出来ない人などの、相談、サポートを行なう事業所である。
髙橋さんの言葉に、「うまれてきてくれてありがとう」がある。
「産んでくれてありがとう』は、よく耳にするが個別的である。
髙橋さんの言葉は、社会・人類全体として、子供達に次の社会を託す思いと、そのために、「大人の我々はしっかりサポートをします」との、約束を含んでいると感じた。