お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
最近日大アメフトボール選手のラフプレーが問題となっている。身体と身体が触れ合う競技に、スポーツマンシップを欠くと喧嘩に近づいてゆく。
高校時代の出来事である。体育の授業でバスケットの試合があった。猛者揃いの私のクラスは、ボールの行方やシュートに興味はなく、相手チームの選手を殴る蹴るで試合にならない。
ブチ切れた体育教師は、「授業はやめる。クラスの役員は体育教官室に来い」と、吐き捨てて帰ってしまった。運悪く役員だった私は、嫌々教官室に出向いた。部屋の隅に直立不動で立たされ、担当教師から、「お前のクラスはどうなってんだ。暴力ばかりで試合にならん」と、大声で怒鳴られた。
で私は、仲間同士の戯れ合いもあるんだけどなーと思いつつ、「ファール5回で退場させればば良いじゃないですか」と提案した。私の主張が終わらない内に、先生の顔色がさっと変わって、「生意気言うな」と、下半身に蹴りが数発飛んで来た。後で、「先生も退場ですね」と言わなかったことを悔やんだが、その場では、「何で俺がクラスを代表して痛いめに、、、」と、憤慨していて余裕がなかった。
最後に先生から、「体育教官室はもうお前のクラスは相手にしない」とのお言葉を頂き解放された。教室に戻って、「これからはスポーツマンシップに則って、試合をやりましょう」と、クラスをまとめれば学校は喜んだろうが、私は「体育教官室は俺達を相手にしねーてよ。次の授業からはソフトボールでもやって遊ぼうか」と提案し団結した。嫌な先公は来ねーし、「ラッキー」ってとこだ。
ある日、何時ものように皆んなで遊んでいると、先生が校庭にお出ましになり、「全員校庭に正座して目を閉じろ」とおっしゃる。30人の猛者が正座している光景は、本宮ひろ志作「俺の空」の一場面のようで絵にはなった。しばらくして、「反省した奴は手を挙げろ」と言う。続けて、「手を挙げない奴、もっと素直になれ️」だと。「冗談じゃねえぜ、お前のクラスは相手にしねえと言ったくせによー。俺はお前にバチバチとやられたんだぞ。何を反省すんだ」と、最後まで手は挙げなかった。
が、反省者多数(目を閉じていて生徒達には分からない)と言うことで、体育の授業は再開された。クラスを代表して教師から暴力を受けたことは、親に報告しなかった。もし報告していたら、親としてどう動いただろうか。「役員としてはお前も相当悪い」と、逆に叱責されたかも知れない。今度会ったら聞いて見よっと。