多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
2月17日は私の74歳の誕生日である。
振り返って、時の流れの速いことをしみじみと感じている。
いつか同級生に、「誕生日、おめでとう❗️」と言ったら、「この歳になると、祝う気持ちもねー、、、」と言われてしまった。
観智院先代住職土屋光道上人に、「自分の誕生日は浮かれるだけでなく、産んでくれた母親に感謝すべき」と、諭されたことがある。
更に、「母親は命をかけて子を産むのだから、君の誕生日は、母受難の日でもある」。と続けられた。
我が信州茅野市には縄文時代の尖石遺跡があり、土偶としては国宝第1号の「縄文のビーナス」が発掘されている。
宇宙人説もある土偶だが、形状からして安産祈願説が有力である。
縄文時代の遺跡から発掘される、生後1年未満の乳幼児のお墓は、大人の約6倍の数になると言う。
これは危険な出産を経て無事に誕生しても、成人まで成長する率の低さを表す。
また人骨の鑑定分析により、縄文人の平均寿命は31歳前後と推定されている。
縄文人と弥生人には、骨格的に大きな違いがあり、外部からの新略により、急激な社会的変化が遭ったと言われている。
それでも私達の遺伝子の12%は、縄文人から受け継いでいると言う。
先日、山田洋次監督がインタビュアーからの、「人間にとっての幸せは?」の問いに、「地位、名誉、お金でなく、生まれて良かったと思えること」と答えられていた。
きっとその後に、「母さん、産んでくれて有難う」が繋がるのだろう。