多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
浄土宗の宗祖法然上人は、お念仏を毎日6万遍称えたと言われている。速さにもよるのだが、時間に換算すると約18時間ほどになる。
私たち『24時間不断念仏会』では、春は東京増上寺、秋は京都清浄華院において、24時間不断念仏会を開催している。
僧侶と道友が、大木魚を1時間交代で打ちながら、24時間繋いでゆく。一般参加の皆さまの出入りは自由で、それぞれが体調に合わせて、お念仏を称え続ける。
昨年の12月、多聞院の食堂に栄養ドリンク2本、水、のど飴、サンドウィッチを用意して、13時から独りお念仏を開始する。
正座が理想だが、24時間は膝がもたない。
正座、椅子、道場内行道、屋外行道の4パターンを用意した。
開始後2時間位までは、お念仏に集中出来ていたが、しだいに喉は涸れてくるし、「時間が過ぎないなーとか、大変なことを始めちゃったかなーとか、落語に「小言念仏」があったなーとか、雑念がどんどん生まれてくる。
気分転換を兼ね外に出て、戒尺を打ちながら増上寺を目指し行脚を始める。
すれ違う人から奇異に見られながらも、大きな声でお念仏を称えながら、無事多聞院に戻って来る。
夕飯はサンドウィッチを口に入れ、咀嚼とお念仏のタイミングを合わせると、これが結構上手くゆく。
夜中の2時頃になると、お約束の様に睡魔がやって来て、木魚を外し始める。
木魚を諦めて立ち上がり、狭い仏間をただひたすら回りつづける。
夜が明けると不思議に睡魔は退散、「後少しだ‼️」と気持ちは高まったが、喉はとうにつぶれて、称名とは言えなくなった。
24時間不断念仏を独りで修して、お念仏は必ずしも回数の多さや、時間の長さだけが重要では無いなと
感じた。
称える「南無阿弥陀仏」の名号に、「救って下さい」との気持ちを、いかに乗せられかが大事のようだ。
法然上人の教えである、「1回でも救われると信じて一生続けなさい」に、少し近づいた気がする。
次は道友の皆さんに声を掛けて、1日8時間、3日連続の行に入ろうと思う。
増上寺24時間不断念仏会のお知らせ
日時 5月17日13時→5月18日 13時
場所 増上寺光摂殿
詳しくは観智院ホームページに後日掲載される情報をご覧ください。