多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です
梅雨入りしたようだ。
「梅雨入りしたとはつゆ知らず」。この時期に必ず何度か使う駄洒落だが、受けはきわめて悪い。
駄洒落ではなく、素晴らしい芸能を紹介する。
落語の演目の一つに『あくび指南』がある。
世の中が少し落ち着いた江戸時代に、お稽古事が流行った時期があるようだ。
大店の主人、奥様、お嬢様は自宅に師匠を招き、市井の人々は「○○教えます」の看板に殺到したらしい。
お師匠さんが女性の場合には、別な目的が付随されて盛ったようだ。
さまざまな稽古に飽きた男2人が、あくび指南所を訪れて入門する。
師匠曰く、あくび指南には初心者用と上級者用が有り、初心者用には、春夏秋冬がある。
上級者用には、芝居のあくび、寄席のあくび、お湯屋のあくびがある。
たとえ師匠であっても、この7つを演じ分けるのは至難の技である。自作の落ち。
誌面の都合で「春のあくび」のみ紹介する。
春のあくびは、田んぼ道のあくび。
「麦畑は青々く、菜の花は黄色く、蓮華は赤く咲き乱れ、空では雲雀がさえずり、陽炎の中を歩いてると自然と眠気をゆもようしてあくびが出てくる」、と前置きして師匠が手本を示す。
さてと本題はこれからです。
私の大好きな青春歌謡のある歌の歌詞に、「春風のように笑う君」との一節がある。
果たして彼女はどんな笑い方で、春風になったのだろうか?と私の好奇心が動きだして、実際さまざまに笑い分けて見たが、未だ春風になれていない。
皆さんも時間があったら、下記をヒントにしてやって見ませんか。
春ー薫風、夏ー南風、秋ー野分、冬ー木枯らし。
ちなみに梅雨の時期に吹く風は、「黒南風」(くろはえ)と呼ぶようです。
おまけにもう一曲。「風に叱られて、、、」との詩がある。
何と素晴らしい文学的表現ででしょうか。
叱られたのは多分木枯らしで、褒められたのは薫風でしょうね。
窓辺に座して、降り続く五月雨を眺めながら、
「止まないねー、晴耕雨読と言っても図書館は遠いし、庭の濡れ紫陽花、露草も変化はないし、退屈で退屈でアーアー」と。
我が家の額紫陽花は今さかりである。
額紫陽花の花言葉は、栽培主に似て「謙虚」「控えめ」である。
お後がよろしいようで。
















