多聞院お寺の漫画図書館スタッフの諸澤正俊です。
5月3日、我家は記念すべき日となった。️
早朝、散歩のために外に出ると、つがいらしきツバメが2羽、家の周りを飛んでいる。
「え、うちの子達?。帰ったのか️」
その後家の前の電線に停まって、家の中を覗くように休んでる。間違いない、帰省の報告だ。
この日をどんなに待ち望んでいたことか。
一昨年の1月に今の地に引越して、4月にはツバメが巣作りを始め、家族一同大喜びだった。
6月には雛も成長して、無事に巣立っていった。
翌年も当然帰って来るものと、首を長くして待ったが
現れなかった。
「巣立った後、巣は壊した方がツバメは帰って来る」
と言う人がいたが、確信が持てずに長いこと迷っていた。
ツバメが毎年必ず来る、近くの病院を見学したら、巣が壊れている。
受付で訪ねたら、「意識的に巣を壊すことはしないが、今年は自然に壊れてしまった。でも今、同じ場所で巣作りをしています」との回答を得て、壊すことに
した。
戻って来たツバメが、「あれ、家が無いじゃん、他に行こう
でも私の気持ちが通じて、5日後辺りから巣作りを始めたので、双眼鏡を買い遠くから見守ることにした。
暇を見つけては外に出て、ツバメの飛ぶ姿を観ているが、スズメのバタバタ飛行と違い優雅である。
基本ツバメは飛びながら餌を捕獲するので、急な反転飛行が可能である。
佐々木小次郎が得意とした剣法の「燕返し」はそこからきている。
「ある方向に打ち込んだ剣先を、急反転させて相手を切る剣法」と言われるが、実際の決闘で有効なのか、昔し剣道を修した身としては、俄かに信じがたい。
当たり前のことだが、先に切らないと死ぬ。
従って無駄な動きは命とりとなる。
反転を前提にした、振り下ろしや横切りは遅れをとるし、逆にスキも作るので、危ない気がするのだ。
5月26日の夕方、我家は突然の悲しみに包まれた。
25日、26日と2日間に渡る、自宅からの「柏崎修養会」を成満して、「終わったー、公園でコーヒーを飲むぞー」と家を出て、ツバメ達の異常な飛び方に気がついた。
もしやカラスにと駆けつけたら、巣は下に落ちて、卵が割れている。
茫然と立ち尽くしながら、「うちは今年、雛が何羽かえるかなー」と言いながら、朝勤めに出た娘の顔が浮かんだ。
巣が脆弱だったのか、大きな鳥に襲われたのかは、はっきりしない。
ツバメ達が早くショックから立ち直り、もう一度、
巣作りを始めてくれたら嬉しい。